ホウ酸塩防腐防蟻処理の歴史が日本より長い海外では処理濃度の高い地域も多く、アメリカでは高濃度の加圧注入土台を販売し、外部から進入するシロアリが最初に近づく土台まわりを特に強化しています。
ホウ酸塩を国内で加圧注入と同じくらい高濃度に処理する方法には、塗布処理の回数を3・4回以上を塗布することになり、手間と時間がかかります。
又、加圧注入による高濃度の防蟻処理は施設が少ないため、現実的に大工さんや工務店の方々でも制作しやすい小規模の「どぶ漬け装置」を作り木材処理する方法をお薦めしています。
● 小規模どぶ漬け処理
※どぶ漬け装置は、大工さんの手で製作することができる
低コストで準備可能な小規模な装置です。
- どぶ漬け槽(ふね)
- 本体 : 木製、内寸 300(w)x320(h)x4,300(L)mm~
内部シ-ト敷 - 飼木 : 木材orSUS-20x40, @600mm
- 重し : 木/CB/石など ※鋼製鎖で緊結
- その他 : 温度調整付投げ込みヒーター(冬季や低温時使用) など
- 本体 : 木製、内寸 300(w)x320(h)x4,300(L)mm~
- 処理作業
- 15~20%前後のdot水溶液で、イエシロアリ毒性閾値(いきち)処理基準値=2.5kg/m3 以上の木材浸透濃度を確認し、地域や周囲の被害状況を考慮して強化。
※シロアリのいない防腐対策に必要な寒冷地では濃度を低減することもできます。
- 15~20%前後のdot水溶液で、イエシロアリ毒性閾値(いきち)処理基準値=2.5kg/m3 以上の木材浸透濃度を確認し、地域や周囲の被害状況を考慮して強化。
- どぶ漬け槽(ふね)内寸 : 300(w)x320(h)x4,300(L)mm ~
- 作業dot水量(4本) : 155ℓ~
- 使用dot粉 : 15%(23.2kg)~20%(31kg)
※効率の良い処理作業を考慮し、どぶ漬け槽の巾を広げる。
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【 活用 】
- 土台のどぶ漬けに製作した槽(ふね)は、根太、間柱などのどぶ漬け塗装に活用
- 水溶液の濃度を調整し、どぶ漬け直後に引上げる方法は、刷毛塗りより短時間で正確にdot処理作業ができます。
● 世界の浸透濃度基準等
防腐防蟻剤の国内の基準では、JAS規定ではdot換算濃度では 1.0kg/m3(※ホウ酸: 1.2kg/m3 BAE ) 以上とされていますが、日本よりホウ酸塩を防腐防蟻処理の歴史が長い海外では、下記の表のとおり多くの国で濃度の高い基準が設定されてい ます。
● ホウ酸塩防腐防蟻剤-濃度算定シート
どぶ漬け処理のサポートに、処理木材の寸法からdot水溶液やdot粉の量、木材に含まれるdot粉の濃度(kg/m3)などを確認する「ホウ酸塩防腐防蟻剤-濃度算定シート(エクセル2003ファイル)」を制作し、「ご購入者専用サイト(ダウンロード資料室)」に掲載しています。
※算定シートには増改築の現場でも DOT濃度が確認できる「現場塗布処理用濃度算定シート」も準備しています。