● 新築現場での塗布噴霧処理
- 木材表面の処理方法
- 塗布法:刷毛で塗布
※スプレー法もありますが、無駄なく確実に処理できる刷毛塗りを推奨しています。
- 作業性を考慮して、塗布法を主に、ほぞ穴などの細部はスプレー法(500ccペットポトル)を組み合わせた作業を推奨
- 塗布法:刷毛で塗布
- 必要な処理液
- 標準塗布処理は、20%(w/v)dot水溶液を使用します。(木材保存協会認定 表面処理)
※2回塗りで、JAS規定の1.2kg/m3BAE(dot換算1.0kg/m3)以上の濃度を確保します。 - 1回の塗布処液量は、木材の種類や乾燥状況によって左右されますが、表面1m2あたり100~110mℓが目安になり、15~20%dot水溶液2回塗りで3.5~4.0寸の構造材(土台・大引・柱)を処理できます。
- 標準塗布処理は、20%(w/v)dot水溶液を使用します。(木材保存協会認定 表面処理)
- 処理範囲
新築現場では、一般的には建築基準法(※1)に定められた地盤面から1メートルまでの構造材(土台、柱、筋違い)です。又、大引・根太などの1階床組や間柱、通常は防腐防蟻処理しない下記補強部分などにもティンボアPCO 処理液をお奨めします。
※1) 基準法などでは樹種やサイズなどにより防腐防蟻処理が不要になります。在来木造工法の防腐防蟻処理
※アメリカカンザイシロアリ対策を除く
- 建築基準法に準拠した防蟻処理 (GL+1000mmまで)
- 壁面:柱、筋違
- 床面:土台(足固め)
- 最小限推奨するGL+1000mmまでの塗布処理
- 壁面:間柱、胴縁、(木摺)
- 火打土台、床面:床束、大引、根太掛、根太(根太レス合板)
- 追加高濃度補強処理部分(推奨)
- 浴室廻り:天井、梁まで ※他、湿気の多い部屋
- 外壁廻り:柱・間柱 ※GWによる高断熱処理の結露からのカビ対策、
- 床板:洗面所、台所、洗濯機、和室の荒板、
- 出入口:玄関、勝手口 ※シロアリの進入しやすい箇所(床板含む)
- アメリカカンザイシロアリを考慮した建物全体の防腐防蟻処理
- 構造材:全て
- 下地板:野地板、和室の荒板、
- 内装材:湿気の多い部屋廻りの板材・下地材、
- 建築基準法に準拠した防蟻処理 (GL+1000mmまで)
● 処理作業
- 在来工法の新築現場では一般的に建物上棟後の屋根に防水紙が敷かれた以降に塗布処理しますが、土台には伏せる前にコンクリートに接する面や、ボルト孔や木口・ほぞ穴までしっかり塗布処理してください。
- 2×4 工法では、壁パネル施工前に床張りが行われるため、塗布処理のタイミングや雨に濡れないよう養生に気を付けてください。
- 大量に未使用処理液の残留を避ける為、処理対象となる躯体部分を拾い出し、概略計算により必要量を調整します。目安は、GLより1mまでの処理では、在来工法1階の建坪80㎡に対し処理液は約24ℓ (基準法範囲:13.6ℓ、推奨範囲:10.4ℓ)前後になり、着色剤を使わない処理済み箇所にはマークします。
※根太や間柱など細い木材は 1回塗りで同程度の濃度を確保します。 - 塗布後、無垢仕上げ材に直接手で触れる場合には十分な乾燥を確認する。
→ 手から出る油が付着しやすい - 1階の床下は、防湿コンクリートやベタ基礎で、薬剤で防蟻処理した土壌をふさいでください
- 上棟後は必要に応じビニールシート等での養生や被膜性の撥水剤塗布などで雨から保護してください。
★標準浸透濃度の確認
処理作業の天気や木材の搬入時期により、木材への浸透が多少変化します。100ccのdot処理液を使用し、どれくらい面積が1回で塗布できるかを確認してください。
● 高濃度処理について
シロアリに対する防蟻処理は、建設地および周辺の環境により強化する必要があります。
本製品の標準処理濃度は、JAS規定の1.2kg/m3の1.2倍以上で算定していますが、世界では環境の違いから5.6kg/m3と高い濃度で定めている地域もあります。
しかし、運不運もあるのか?シロアリ被害に遭遇しない建物には、国内では5年しか効果のない従来のシロアリ駆除の状態で築後20年以上経過しても被害にあわない建物もあり、その多くが周囲の環境や使用した構造材に影響されていると思われます。
下記に記載するシロアリ被害が予想され環境などを参考に、思いあたる方はとりあえず「~3・4kg/m3前後までの防腐防蟻強化」を検討し、点検回数を増やし、必要に応じ再塗布してください。
※大壁以外の工法で木材を表し、床下をはじめ点検しやすい建物を作る方法もありますが…
- シロアリ生息数の多いと言われる高温・多湿地域
- 沖縄(特に南西諸島)、小笠原諸島(東京都)
- 九州全般、山口県、高知県
- その他、太平洋、瀬戸内海沿岸
- シロアリ被害の家屋が隣接
- 山林開発の宅地
- 近くに雑木林や公園、川や湖、貯水地がある
- 湿気が多い土壌環境
- 土盛りした土が湿気が多い
- 桧やひばなど耐久性の高い樹種以外の構造材を使った建物