住環境と薬剤/ホウ酸塩

 高温多湿の日本の木造住宅にはシロアリに対する防除施行は、建築基準法にも制定されておりかかせない方法になっていますが、その反面として住環境を汚染し人体えの影響が取り上げられ、そのつど使用する薬剤が禁止や改訂され、現在でも疑問視される薬剤が使用されており、シロアリから建物を守るため無視することができないため、薬剤の効き目を弱くするなどの措置を取り、つじつまあわせで使用されています。

 「古民家を守る会」が推奨するホウ酸塩は、健康被害やコスト面などでのリスク負担が少ない防腐防蟻剤ではありますが、日本での認知度が現時点では低く、公的な認可の取得が少ないため、新築工事に利用できる補助が受けにくいなどのマイナス面もあります。

 木造住宅に住まわれる方は、シロアリ被害などのリスクから建物を保護するための方法を選択することができますので、情報を収集し、ご自身が納得できる方法を選択していただきたいと思っており、私どもが持っている住環境での薬害の情報を掲載していきますのでご参考にしてください。

シロアリ駆除工事の歴史

  • 1950年に日本で「建築基準法」が制定され、それまで束石の上に束柱を立てる工法から布基礎の上に土台を敷き柱を立てる工法に替わり、換気孔の設置基準があるが以前と比べ床下の換気が悪くなり、地域などの条件の悪い建物ではシロアリや腐敗が発生するようになったため、地盤面より1メートル以内の部分に防腐・防蟻処理が義務づけられるようになりました。(施行令49条)
     予防駆除剤には、シロアリの予防と駆除を目的とする殺虫剤と、腐朽菌を制御する防腐剤を混合した物が多く、「財団法人日本しろあり対策協会」が認定する薬剤が広く使用されており、防蟻成分としてほとんどが合成殺虫剤(農薬を使用しています。のシロアリ予防のため木材に農薬を塗布することが許されている先進国は日本だけで、世界の常識からみて異常なことです。

ホウ酸塩

 ホウ酸塩は私たちの周囲や自然のいたるところに存在します。植物のには欠かせない微量元素として、成長を促進する反面制御することもできる、エネルギー代謝を調節できる効果的な保存剤で、細胞を殺さず成長を停止させる静生物剤です。

[効果と実績]

 ホウ酸塩は、微生物や害虫に対する静生物剤として作用し、安全な制御方法として使用されており、天然のホウ素化合物は、菌類、藻類、バクテリアや、ゴキブリ、甲虫、アリ、スズメバチ、ノミ、シロアリ、ハエ、ガ、などの昆虫に対し効果的に作用されます。

 農業の肥料としては病害に対する抵抗性、林業では針葉樹の"Formes病"の制御や、植林されているゴムの木やその加工材(家具などを穿孔甲虫からの保護かに使用され、木造建築ではシロアリから建物を守るため、100年前からニュージーランドやハワイ、アメリカ南部、ヨーロッパなどで広く使用されています。

  アメリカ 日本
土壌
・盛土にシロアリ防除剤を散布し、防水シートで覆い、コンクリートで薬剤を閉じ込める
・基礎の外周に沿って溝を掘り、内部に防蟻処理液を散布して埋設
・布基礎内面と束石の周囲にシロアリ防除剤を散布
※基礎と一体化したベタ基礎で土壌を被覆する場合には免除
木部 ・木部処理剤に(ホウ酸塩系が主)を表面に塗布/散布する。 ・しろあり対策協会が認定する木部処理剤(合成殺虫剤系)を表面に塗布/散布する
※表はシロアリ駆除技術が確立していたアメリカと日本の新築住宅での標準的な防蟻処理方法を比較したものです。

クロルピリフォス薬害問題

  • シロアリ駆除技術が確立していたアメリカでは、建設用地に大量のクロルデン処理液を散布し、土壌処理で効率よくシロアリから守られていましたが、地下水を汚染する環境問題が表面化し、1980年代半ば、日米共にクロルデンが禁止されました。以後、防蟻処理が急性毒性の高いクロルピリフォス(有機リン系殺虫剤)に代わりましたが、1990年代になって悲惨な中毒事故が日本で多発し、2003年7月の改正基準法で使用禁止になりました。
     クロルピリフォスを使用した後遺症として、アメリカでは今も問題が続き、妊娠中にクロルピリフォスに暴露した母親から生まれた子供たちに知能や運動能力の発育の遅れ、対人関係がうまく作れないなどの知的障害の多いことが証明され、多くの家族が子供の知的障害などに悩んでいます。
  • クロルピリフォスが禁止された2003年以降の住宅用防蟻剤は、フィプロニエル(フェニルピラゾール系殺虫剤)や、イミダクロプリド・クロチアニジン(ネオニコチノイド系殺虫剤)などが主流となっていますが、これらの殺虫剤はミツバチの大量死や失跡をふくむ生態系への深刻な影響を理由に、フランス、ドイツ、イタリア、ソルベニアなどの農業国では、使用禁止か制限が始まっています。

農薬と胎内暴露

  • 2007年、カリフォルニア大学・カリフォルニア州保健部門の共同チームが、母親が農薬散布地域から500メートルいないに住んでいた場合に、子供が自閉症や近い症状を発生する確立が高くなることが報告されました。
     原因は農薬地に散布された農薬の一部が住宅地にまで流れ込んで来たためで、ジコホルやエンドスルファン(有機塩素系殺虫剤)の影響が大きいと報告され、アメリカ市民に少なからぬ衝撃を与えたようです。
     胎内暴露により出生障害にいたる要因は、身近な生活の中に多く潜み、化学物質に囲まれた今日の危険な生活環境から被害を避けるには、住環境から危険な化学薬品、特に農薬を徹底的に排除する事で、今まで報告された事例や危険性などをご紹介します。
    • コロンビア大学グループの研究で、ニューヨーク市の貧困地区に住む黒人やヒスパニア系住民に出生障害が高く、血中のクロルピリフォス濃度との相関性から、ゴキブリ駆除に使用される殺虫スプレーが原因とされている
    • 西オーストラリア州健康庁環境衛生部は、シロアリ防除の指針として、乳幼児や妊婦のいる家庭での農薬を使うシロアリ駆除をできる限り延期するようアドバイス
    • アメリカ妊娠協会では、農薬を散布する農場の400メートルいないに住む女性は、妊娠に気付いたら転居するよう忠告
    • 2009年、日本ではアメリカカンザイシロアリ駆除のため、壁内部や天井裏の木材への殺虫剤ベースのシロアリ防除剤の吹付け工法を認定(危険)
    • 日本の行政が住環境農薬の使用の規制にのりだす?にはまだ先のように思われ、子づくり、子育て中のご夫婦は、当面、農薬暴露の危険性の少ないマンションでの生活が賢明
 

長持ち住宅と防蟻処理

  • 日本の住宅の寿命が短さは、世界でも類を見ません。欧米の、50~100年に対し、平均30年で建て替えられており、高温多湿の地域での木造住宅だからといってあきらめているのが現実です。※ハウスメーカーにとってはおいしいが?・・・これでいいの!
     さて、短命の原因の一つとして、高温多湿ゆえに処理しなければならない防腐防蟻の方法が適切であったかどうかが浮かび上がり、今も使用されている合成殺虫剤を使用したシロアリ防除剤の効果が5年で失われてしまうことが原因の一つに挙げられます。
     5年ごとに予防処理をくり返せば長持ちしますが、一回の予防処理に10~15万円前後ほどかかり、処理液の毒性の強い臭いを嫌って実施する家も少なく、シロアリ被害が発生してから依頼するのが現実です。
     又、桧やヒバのような耐久性のある樹種の防腐防蟻処理が免除や、ベタ基礎で被覆されて土壌処理の免除で、未処理の土台が使用されたことも原因の一つで、アメリカカンザイシロアリは、桧が最大の好物とも言われています。又、アメリカカンザイシロアリは飛来して被害を及ぼすにため建築基準法の地盤から1メートル迄の構造材への防蟻塗装では防ぎきれないことも事実。
    ・・・木造住宅に住む私も柱・梁を表わしの民家型住宅で防腐防蟻処理がしやすいため、新築時に防腐防蟻塗料を塗布したのみ
  • 2007年7月、平均30年といわれる日本の住宅を200年まで延長させる発想が発表されましたが、技術的進歩のないまま国土交通省により「長期優良住宅」にトーンダウンしまし、長持ち住宅を目指すための防腐防蟻処理は、プロの意見を参考に自己の選択で補強する以外のないのが現実