● ホウ酸塩塗布木材の燃焼試験
ホームページにホウ酸漬けの家が現実に増えると、容易に燃やすこともできないため厄介な廃棄物が量産され、環境汚染をまねくと掲載されており、又、「ホウ酸塩処理された木材は燃えにくくなり、廃棄物として環境汚染をまねくと言われてますが?」と言った質疑が寄せられたため、ホウ酸塩処理した木材と未処理剤(水の塗布で含水率調整を同じ柱から試験体を作成し、薪ストーブで燃焼試験を2回してみました。
尚、2回の試験の共、燃焼開始状況や燃焼時間はほぼ同じで、写りの良かった2回目の試験を掲載しています。
【試験概要】
- 試験体
- 1本の桧4寸柱を手カンナで削り後20cmに切断
- DOT溶液塗布材×2本、水のみ塗布材×2本
- 処理剤
- ホウ酸塩防腐防蟻剤(ボロンdeガードDIY):15%溶液
- 処理方法
- 刷毛塗り ※昨年12月に塗布
- 試験場所:TIROLHAUS八ヶ岳展示企画室
- 試験日:2012年6月3日
- 試験体製作:可知井建設(土岐市)
【DOT溶液塗布材】 【水塗布未処理材】
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【試験経過】
- P.1:準備
薪をストーブを1時間程燃やしおき火を均等に敷きならべ、向かって左側にDOT塗布材を右側に未処理材を設置 - P.2:1分
試験体設置直後に未処理剤の方が激しく燃えあがる - P.4:4分
未処理材の木口全体が黒く焦げはじめた - P.9:4分
未処理材は全体が炭化し炎の勢いが減り、DOT処理材の炎の勢いが激しくなる - P.11:20分
未処理材の方は白い灰で全体がおおわれ、表面化の剥離?が目立つ - P.13:26分
両方の試験体共、角材の形が崩れ始まる - P.20:44分
両方の試験体共、角材の形が崩れ、炎が止まる - P.24:53分
燃え始めから53分経過し、赤い火の粉も見えなくなったため試験の写真撮影を終了
【試験結果】
- 4寸角の柱は、DOT溶液塗布処理材/未処理材共に1時間余りで燃焼
※燃焼時間がほぼ同じであったのは、15%DOT溶液の塗布処理や塗布後6ヶ月程度のためか、柱の芯までDOT溶液が浸透していことではないかと思われるため、次はドブ漬けにした試験体の燃焼試験を実施する予定でいます。 - ホウ酸塩に難燃効果があるため、DOT処理材は燃え始まるのが遅くなるのを確認