● ホウ酸塩防腐防蟻に関する一般的なQ&A
- DOT処理にはどのような方法が有りますか ?
- 塗布場所は ?
- 塗布処理の回数は ?
- 『ティンボアPCO』1箱でどれくらい塗布できますか ?
- 新築住宅でGLより1m迄の木部を処理するのに必要な量は ?
- 加圧注入装置がなくても高濃度処理できますか ?
- 外部の木製デッキに塗りたいのですが ? 塗布面積の目安は?
- 軸組みの接合金物にDOTが付着しても大丈夫ですか ?
- 土台に塗布する際、コンクリートの基礎にDOTが付着しても大丈夫ですか ?
A1 処理は主に新築現場と既設リフォームの二つに分けられ下の表にまとめてみました。
【DOT処理方法】 | ティンボアPCO | 備考 |
---|---|---|
既設(予防) | 塗布、噴霧 | |
既設(腐朽処理) | 塗布・散布、穿孔 | ドリルで穿孔し高濃度の処理液を圧入 |
新築現場 | 塗布、噴霧 ※加圧注入やどぶ漬けについては現在調査中 |
※防蟻処理として、GLより1mの木部が建築基準法で定められています。 |
Q2 塗布場所は ?
A2 建築基準のGLより1mまでの、土台や柱、筋違いなどの構造材が最低限の基本になりますが、間柱や大引き・根太などの床下の下地材などの実施も推奨しています。
又、通常床板は処理しませんが、洗面所など湿気の多い部屋や、畳敷きの下地板などの結露しやすい場所には、防腐効果がありカビの発生を防ぎますので塗布処理し、浴室廻りなど、常に湿気に曝される場所には、天井の梁廻りまで処理することをお薦めしています。
尚、試用中ですが、無垢の床板に塗布しておくと雑菌による汚れを減らすことができると思われます。
A3 標準施工の20%DOT水溶液を使用した場合には、構造材が2回塗り、d=45mm以下の下地材などは1回塗りで処理できます。
※1回の塗布面積を 100~110m2として算定
Q4 『ティンボアPCO』1箱でどれくらい塗布できますか ?
A4 木材の断面やDOT水溶液の濃度によって異なり、ティンボアPCO5kgの標準施工処理では
- 20%DOT水溶液(25ℓ)2回塗り:約113~125m2 ※4~5寸角構造(四面塗り)
- 15%DOT水溶液(33ℓ)1回塗り:約300~330m2 ※45x45mm角 根太材など
- 5%DOT水溶液(100ℓ)1回塗り:約910~1,000m2 ※板材
※木材吸収量(濃度)はJAS規定以上の1.2kg/m3 BAE 以上を確保。
建物及び周辺の環境により木材吸収量の補強が必要になります。
Q5 新築住宅でGLより1m迄の木部を処理するのに必要なDOT粉量は ?
A5 20%のDOT水溶液を使用し一般的な管柱3.5寸を使用した在来木造住宅(長方形型)の1階部分を 24坪として計算しますと、2回塗りの構造材部分などで、約80m2
の塗布量、1回塗りの下地材部分で、約85m2 の塗布量が必要になり、DOT粉量は 4.9~5.4kg必要になります。
※24坪でもプランニングなどにより多少異なります。
余談ですが、最近地球温暖化のため各地で豪雨が多く発生し土砂災害が増えており、GLからの基礎コンクリート高をあげることで、床下浸水や土砂が外壁にぶつかるリスクも減り、地域によっては津波のリスクも緩和され、DOT処理する部分も少なくなります。

A6 加圧注入の代わりに浸漬法(どぶ漬け)で処理できます。設備投資は数万円から(ふねの大きさによる)可能で、温度や濃度を適切にコントロールすれば、高品質のDOT処理木材が製造できます。
※工務店や大工さんなどでも準備しやすい「小規模どぶ漬け槽(ふね)」を提案し、概要などを「お客様資料室」にUPしています。
A7 ホウ酸塩は水に溶脱するため、外部で使用する場合には皮膜タイプの撥水剤(ウッドエイドなど)で保護する必要がありますが、着色などに問題がありあまりお勧めできません。
※現在市販されている着色の木材保護塗料と併用した場合には、ホウ酸塩の素材(白い粉)が塗料に引き寄せられ表面に白いむらが現れますので、濃い色を避けてください。
Q8 軸組みの接合金物にホウ酸塩が付着しても大丈夫ですか ?
A8 市販されている、亜鉛メッキなどで処理した建築金物であれば大丈夫です。
Q9 土台に塗布する際、コンクリートの基礎にDOTが付着しても大丈夫ですか ?
A9 ホウ酸塩は「PH7.6」でほぼ中性につき、コンクリート腐食などは発生しません。