シロアリに強い家づくり

 シロアリから家を守るためには建築基準法で定められた防腐防蟻剤処理は最低限として実施しますが、敷地の環境によっては不十分な場合があり、補強しておかなければなりません。
 特に、これから住まいを建設される方は、下記の建設方法でシロアリの侵入をある程度防ぐことがでますのでご検討してください。
 中には、デザインなどにより無理な部分もありますが、できる範囲で建設に取り入れ、防腐防蟻剤の強化と併用する方法をお奨めします。

 
コンクリートの基礎を高くする

1) コンクリートの基礎を高くする

 地面から上がってくる水蒸気は、建物の木材に湿気を与え、シロアリが好む環境にします。建物は建築基準法に定められている1mまでが特に影響し、コンクリート基礎を高くすることで、木部への負担を減らすことができます。
  高齢者や足などの障害者には出入りの高低差が増え、アプローチの方法に工夫が必要になりますが、コンクリート基礎が高くなれば、床も高くなり、床下のシロアリの点検なども容易になります。
  ※金融公庫の基準でも、建物の長期保存を目指しているのか? 24cmから40cm以上と基礎は高くなっています。

 
外壁まわりの埋戻に水はけの良い砕石などを

2) 外壁まわりの埋戻しには水はけの良い切込砂利などで

 建物工事の一般的な埋戻しは、場内の土工事で掘削した土を使いますが、施工上の都合で外部から客土を入れる場合もあり、運が悪いと搬入した土にシロアリの巣や卵など含まれていることもあり、やがて家の中にシロアリが侵入し建物が被害をうけます。
 上記(1)同様、建物に地面から上がる水蒸気を減らすためにも水はけの良い切込砂利などで埋戻せば、建物の保護とシロアリの侵入を防ぐことができます。

 
ベタ基礎の一体打ちでシロアリの侵入路を減らす

3) ベタ基礎の一体打ちでシロアリの侵入路を減らす

 木造の基礎工事は、昔は布基礎がほとんどでフーチングと立上がり部分は同時にコンクリートを打設していましたが、最近はベタ基礎が主流になりベース部分と立上がり部分を2回に分け打設する建設現場が多くなり、このときにできた打継部分から雨水や湿気が入りシロアリの侵入路になる場合があります。
  打継をなくす方法とし「一体打ち」といった施工方法があり、打継部分からのシロアリの侵入を防ぐことがでます。
※「一体打ち」は施工技術と精度が必要になりますが、1回の打設で基礎工事ができますので、工事費を下げることもできます。

 
基礎パッキンや鋼製束の使用

4) 基礎パッキンや鋼製束の使用

 木造住宅の工事を簡単にするため床下部分に、基礎パッキンや鋼製束といった新しい工法をとりいれる現場が増えています。
  基礎パッキンや鋼製束の中には、シロアリ保障制度を設けているメーカーもあるほどで、シロアリの木材への侵入路を遮断する効果は大きいとと思われます。

 
深い軒の出を深くして雨水による建物まわりの濡れを減らす。

5) 深い軒の出

 建物の軒の出を深くすることは、デザインやコスト、敷地の条件などにより左右されますが、風雨から建物の足元を直接ぬらすことが避けられ、上記(1,2)同様、建物まわりを湿気の少ない状態にすることができ、シロアリが好む条件を減らします。
 又、深い軒のでは、壁面に直接当たる太陽熱を避けることもでき、暑い夏の室内温度が上昇を減らす効果など、省エネ効果など建物や暮らす人にとってもプラスになります。